(12)遠州路を行く  掛川→袋井→見付→遠江国分寺跡

 遠州路、掛川・浜松の区間もわりと旧道が残って居る。掛川のはずれ大池橋を越えて左折し、JR二股線を過ぎるとその先袋井までは殆ど旧道である。袋井から先は国道1号線の区間が多いが、木原集落に一部、そして三ケ野橋から先見付宿のはずれまでずっと旧道が続く。現在の磐田駅のあたりは昔の中泉村だが、その手前に遠江国分寺跡がある。旧道はその前を通り、斜めに右折して行き、天竜川の土手で終わる。
 JR掛川駅に東海道新幹線が止まるようになって非常に便利になった。例えば東京を8時16分のこだまに乗れば10時12分に掛川駅に着く。駅を降りて真っすぐに行けば掛川城址に出る。ここは公園になって居て、石垣、櫓などの跡が残って居ることは前に述べた。なお少し付け加えれば安政2年(1855)建立の御殿が残って居る。城廓内に御殿が残って居る例は全国でも珍しいそうだ。公園の手前の仲町十字路を左折、もとの掛川宿の中心だった所だが、市街整備と道路拡張で昔の姿を忍ぶものは何も残って居ない。ただ途中、円満寺に富貴門があり、もと掛川城の二の丸の門を移したものと言われて居る。十九首で右へカーブするが、ここには古い町並が残って居る。但し昔は町はずれであった。
 逆川橋を渡り、国道1号線に合ししばらくして大池橋を渡る。ここは道が四つに分かれて居て一番左の道をとる。間もなく二股線の西掛川駅があり、そのガードをくぐる。道は田舎道で所々田んぼがあり、車が少ないのでのんびり歩ける。細田から国道1号線と交差し高速道路の下をくぐり善光寺橋を渡る。右手に善光寺如来の石標があり、その奥に仲道寺がある。ここに善光寺如来が祀られ、また坂上田村麿の守り本尊と伝えられる阿弥陀如来が納められて居る。
 この先が原川で、もと立て場だった所である。国道1号線に合し同心橋を渡る。ここから袋井市で再び旧道になる。このへんは名栗で杉並木が少し残って居る。少し行くと右側道端に大きな赤鳥居が忽然と立って居る。ここから1.3km北の浅間神社の鳥居である。東海道巡覧記(延亨3年・1746)「右浅間道有。むかしは鳥居有。今ハ松木有。鳥居松と云」とあるが、江戸時代初期には既に鳥居はなく、その後再建されたものと思われる。その先に妙日寺がある。日蓮上人の父母を葬った寺といわれて居る。そばに小学校があり、一里塚跡がある。このへんは久津部。西新屋で国道1号線に会って、再び離れ、やがて袋井宿に入って行く。大きな十字路があり、郵便局があるが、その先に本陣があった。今は普通の商店になって居る。御幸橋を渡ると川合。袋井は宿としては小さい。総家数195軒、うち本陣3、旅籠50、宿内人別、男370人、女470人、計840人で掛川や金谷の1/5ぐらいの規模しかない。
 なお袋井には俗に遠州三山といわれる有名な寺がある。袋井市久能の可睡斎(もと東陽軒)、ここは12月15日にある火祭が有名。同村松にある油山寺、山門と三重塔があり、重要文化財になって居る。また同豊沢にある法多山尊永寺は、行基がみずから彫ったという厄除観音が有名、楼門は重要文化財になって居る。
 袋井消防署の所で国道1号線に合し旧道はなくなる。この先木原という鄙びた集落があり、そこだけ旧道が残って居る。ここに許曾神社という小社がある。熊野権現といって居た社で、元亀3年(1573)武田対徳川の三方ケ原の戦いで武田信玄がここに陣したといわれて居る。ここから磐田市の三ケ野までは旧道はない。
 三ケ野橋を渡り少し行くと道は3つに分かれる。一番左の細い道が旧道である。かなり急な坂を登る。森の中の静かな道である。公民館の所で右折。坂を下り国道1号線と交差した先に愛宕神社があり、一里塚跡がある。このあたりからもと見附宿。中川橋を渡ってすぐ右手奥に大見寺がある。見附城があった跡だという。このもと宿場の旧道は鉄道の駅から離れ、国道も別のルートを通っているので、静かで比較的昔の面影を残して居る。右手にあるのが遠江総社、淡海国玉神社という。その前に市立郷土館がある。
 宿は西坂町の十字路で終わり、旧道はここを左折して行く。加茂川の橋を渡り、国道1号線を越えて坂を登ると、もと中泉村で国分寺跡がある。発掘調査が行われ、七重塔跡、金堂跡などが確認された。今史跡公園になって居る。道の反対側にあるのが府八幡宮である。聖武天皇の時、全国に国分寺が建立されたが、その寺を護持するため八幡宮を近くに勧請した。ここもその一つの例である。またここには遠江国府があった所で、現在、磐田南高校がある西側の台地にあったといわれて居る。
 この道を真っすぐ行けば磐田駅である。

☆行程 
掛川駅→袋井→見附→遠江国分寺跡→磐田駅  約21km,6時間

☆地図 
昭文社 エリアマップ 掛川市、袋井市、磐田市


 

目次


[HOME][旧東海道の面影をたどる][旧中山道の旧道をたどる][中世を歩く][中世の道]
[身近な古道][地名と古道][「歴史と道」の探索][文献資料][出版物][リンク]