中世を歩く−東京都その近郊に古道「鎌倉街道」を探る

 

中世というと、西洋史では「暗黒の中世」ということがよくいわれてきた。そこには低い文明、圧制と貧困、騒乱と無秩序という意味合いが含まれている。日本史でもそれを真似て「暗黒の中世」といわれていたことがある。しかし最近の日本中世史の研究によって、日本の中世はもっと明るい、活気のある、そう貧しくもない面が多いことが分かってきた。私も中世の道「鎌倉街道」を探りながら歩くうち、あまり中世とは関係がないと思い込んでいたこの東京とその近郊にもその跡が幾つもあることを知り、かなりのインパクトを受けた。この稿はそのインパクトに基づき書き留めたものによっている。

(完売となりました。再版の予定はございません。)

定価 1,500円(本体1,428円)
ISBN 4-9900165-3-10-C1020
テレコム・トリビューン社刊

 

目次

はじめに

第一編 「中の道」  鎌倉から横浜・川崎市内・都区内を経て岩淵まで
 一、 鎌倉駅から水堰橋を経て日限山まで
 二、 日限山から柏尾、名瀬、大池を経て鶴ヶ峰駅まで
 三、 鶴ヶ峰駅から白根不動を経て中山駅まで
 四、 中山駅から川名を経て江田駅まで
 五、 江田駅から溝口を経て二子玉川園駅まで
 六、 都区内「中の道」Aルート(その一)
     −二子玉川園駅から碑文谷、葦毛塚を経て代官山駅まで
 七、 都区内「中の道」Aルート(その二)
     −代官山駅から千駄ヶ谷八幡、西向き天神を経て早稲田まで
 八、 都区内「中の道」Aルート(その三)
     −早稲田から雑司ヶ谷、滝野川を経て赤羽、岩淵まで
 九、 都区内「中の道」Bルート(その一)
     −二子玉川園駅から用賀、世田谷城址を経て笹塚駅まで
 十、 都区内「中の道」Bルート(その二)
     −笹塚駅から鍋屋横丁、紅葉山を経て新井薬師駅まで
 十一、都区内「中の道」Bルート(その三)
     −新井薬師駅から千川、轡神社、蓮沼を経て岩淵まで

第二編 「下の道」  鎌倉から横浜・川崎市内・都区内を経て小岩・金町まで
 一、 鎌倉から朝比奈越えして金沢まで
 二、 金沢文庫から能見堂跡を通り笹下を経て上大岡まで
 三、 上大岡から蒔田、石難坂を越えて元帷子宿まで
 四、 餅井坂を越える
 五、 古町橋(天王町)から岸根を経て菊名、網島まで
 六、 網島から古い土地・駒林、蟹ヶ谷、小田中を行く
 七、 小杉御殿町、陣屋町を経て多摩川を渡る
 八、 沼部から大井までの(B)ルート
     −沼部から洗足池、大井の井戸を経て大井三つ又へ
 九、 沼部から大井までの(A)ルート(その一)
     −沼部から光明寺、千鳥3丁目まで、および矢口へ寄り道
 十、 沼部から大井までの(A)ルート(その二)
     −池上、新井宿を経て大井の井戸(光福寺)まで
 十一、大井から居木橋を経て竹芝寺伝説の地を過ぎ三田まで
 十二、東京都心地域の中世を偲ぶ
     −日比谷入江と芝崎、江戸城
 十三、中世の江戸と浅草(その一)
     −大手町から常盤橋、室町を経て浅草橋まで
 十四、中世の江戸と浅草(その二)
     −浅草橋から鳥越、浅草を経て橋場まで
 十五、現存する古代官道ルート
     −墨田から四ッ木、立石を経て小岩まで
 十六、中世葛西御厨の地を行く
     −墨田から堀切、青戸を経て金町まで

 


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